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2022年1月21日金曜日

世界よ、これが大宮だ!

皆さん、埼玉県の政令指定都市「さいたま市」にある大宮区をご存知でしょうか?

埼玉に住む私にとって身近なこの都市のことを知らない人も多いことでしょう。

そんな大宮区の中心といっても良い大宮駅の空中通路を世界に知らしめる。それだけで価値の有るアニメの紹介です。



毎年、夏に開催され、アイドルを志す少女たちにとって

夢を掴むための最大の登竜門と言われる全国アイドルオーディションリアリティショー

「SELECTION PROJECT」

今年で第7回目を迎えるこのオーディションを勝ち抜いた少女たちは、

皆等しく華々しいデビューを飾り、国内外を問わず人気を博している。


全国アイドルオーディションリアリティショーでは、

北海道、東北、北関東、南関東、近畿、中部、中国、四国、九州・沖縄の

全国9つの地区予選を勝ち抜いた少女たちが、本選オーディションに挑む姿を

ドキュメンタリー映像やLIVE配信で追いかけていく。


そして少女たちの勝敗を決めるのは、

リアリティショーを視聴しているユーザーからの投票のみ。

数多くの投票を受けて、オーディションを勝ち抜き、

アイドルとしてデビューする栄冠を手にするのはいったい誰なのか!?


同じ夢を目指す戦友であり、ライバルでもある少女たちの

青春熱血オーディションバトルが今、幕を開ける!


SELECTION PROJECT(公式サイト


今回紹介する「SELECTION PROJECT」「アイドル×オーディション×リアリティーショー」をテーマにしたメディアミックスプロジェクトの一環で放映された30分枠のオリジナルアニメーションだ。

メディアミックスプロジェクトの一環とはいえ、ほとんどオリジナルアニメーションに近い形でアイドルものが出るのは久しぶりと言えるので注目していた作品だ。

本作はオリジナルアニメーションにありがちな奇をてらったストーリー展開は無く、アイドル・オーディション・リアリティーショーと事前に提示されていたテーマをそれぞれしっかりと取り込んだ上で王道のアイドルアニメに仕上がっている。

原作のないアニメとしては珍しい『手堅さ』がつまらないなどの批判の原因になってしまっている一方で安定感のある構成と展開を安心して見ることができるのは良いところと言える。

本作では主人公である鈴音ちゃんがアイドル発掘プロジェクトである「SELECTION PROJECT」に応募して地方予選を勝ち上がるところから始まり全国予選で地方予選を勝ち上がったところから同じく予選を勝ち上がった8人とその中でも主人公と対となる存在になる玲那ちゃんを主軸にストーリーが進む。

それぞれ個性豊かな総勢9人のアイドル候補が程よく登場してそれぞれが適度に主張を残しつつも病弱だった鈴音の過去や事故死してしまった玲那の姉の灯との奇遇な繋がりなど手堅くも退屈することなく進行するストーリーは見応えあるものではないかと思う。

制作元である動画工房の魅力的なキャラデザから力強さを感じるライブシーンなどの躍動感まで作画などの面でもよく作り込まれていて私がレビューする作品の中では珍しく安定感がかなりあった。この点も本作の魅力と言えるだろう。

ここで少し寄り道して本作を視聴する上で注目するべき独自のポイントとしてオープニングから物語終盤でも彼女たちの活動拠点として描かれる『大宮』について語らせて頂きたい。

はじめにはっきりさせておくべき事としてオープニング中盤で彼女たちが踊る舞台となった大宮はそこまで綺麗ではない。駆け出しのアイドルが路上ライブするには十分なほどに人が多いのは事実だしその点はすんなりと納得できるのだが人が多いが故にもっと人間臭さと古臭さと汚れた感じが必要だった。アイドルアニメなのだから綺麗な背景が必要なことは重々承知しているが大宮を肌で感じることのできる人間としてはここでなにかリアリティとの乖離を感じてしまい、まるで大宮ではない大宮で繰り広げられるゾンビ映画を見ているような違和感を感じてしまったのだ。

そして作中で9-tieの彼女たちが大宮で活動する前の「SELECTION PROJECT本戦」にて海で撮影したりし活動ていたので聖地巡礼の際には大宮から県を跨いで海まで移動する必要があるということをお忘れなく。

埼玉に海はない

さて、戯言はこれぐらいにしておいて、本作は私からすると賛否あるのが意外な程によく出来たアイドルをテーマにしたオリジナルアニメーションであると思う。ラブライブなどの様に爆発的な人気が出たり光るものがあった訳ではないが色々な意味で不安定な最近のアニメの流れから見ればこれほど安定してクオリティや構成をしっかりとしたアニメは一度見てみる価値あるものではないだろうか。ぜひともその目で「大宮のリアリティ」を確認してみてほしい。

このレビューに、そしてこれを読む君にエールを。

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