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2022年1月15日土曜日

今日のターゲットは…これだ!!

皆さんはHITMANシリーズなどのステルスアクションゲームはプレイされたことはありますか?

トリガーハッピーな派手なアクションも良いですがたまには標的の下へ忍び込み密かに排除するステルスも楽しいですね。

入念な下調べと緻密な計画と行動によって誰にも知られることなく(場合によっては標的自身も)目標を完遂できたときの達成感は計り知れません。

今回はそんな暗殺をテーマに暗殺とはなにかという哲学的テーマを問いかける作品を紹介してまいります。

世界一の暗殺者が、暗殺貴族の長男に転生した。

異世界で生まれ変わる条件として、彼が女神から請け負ったミッションは只一つ。


【人類に厄災をもたらすと予言された《勇者》を殺すこと】


それこそが世界最高の暗殺者が、新たな人生で果たすべき使命であった。

現代であらゆる暗殺を可能にした幅広い知識と経験、

そして異世界最強と謳われた暗殺者一族の秘術と魔法。

そのすべてが相乗効果をうみ、

彼は史上並び立つものがいない暗殺者へと成長していく――。


「面白い、まさか生まれ変わってもまた暗殺することになるとはね」


転生した"伝説の暗殺者"が更なる高みへと駆け上がる!

限界突破のアサシンズ・ファンタジー!!


世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する

公式サイト


今回紹介するアニメ「世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」は30分枠の小説家になろう原作の異世界転生ファンタジーアニメだ。

最近では端折られてしまいがちな転生者の前世や生誕から成長までの過程がしっかりと描写されている。それなので主人公が転生することになるまでの経緯やどうして暗殺の術に長けていたのか等の説明描写がされていた。それから転生して赤子として生まれてから再び暗殺者として超人的な力を身につけるまでの過程も順を追って描写されているので本作の世界観や展開はかなり分かりやすい。

また、ヒロインにあたるタルトマーハディアといったキャラクターについて出会いからそれぞれの心情まである程度丁寧に描写されているのでなろう系にありがちな「何なんだこいつ!?」が無くそれぞれのキャラクターの魅力を感じて親しみを持つことが出来ると思う。

一方で成長過程やヒロインやサブキャラなどの紹介に時間を割きすぎてしまい「何故(何のために)転生したのか」に対して「何かを為した」という結果までを描くことなく「俺たちの戦いはこれからだ」スタイルで12話を終えるので続きが気になる人は少しモヤっとしてしまうかもしれない。

また、最初に提示された「勇者を倒す」などの部分がなにも解決されていないのに加えてマーハが主人公のルーグに買われて妹になるまでの描写に丸々1話を費やしていたりと話の側面に光を当てすぎて本筋が薄くなってしまっている感が否めない所もある。

それなので12話まで通して見た後に残る「物足りなさ」はどうしても拭えない。そういう作品について「そういうものか」と割り切れる人や「続きは原作で」とライトノベルの購入に踏み切れる人でない人にとってはなんとも歯切れの悪い作品になってしまったと思う。

ただ、原作につなぐまでの「導入」や「紹介」もしくは既に原作読者である視聴者にとっては本作は丁寧に作られたアニメーションとして評価できるものではないだろうか。

キャラで見るとタルトが魅力的で見どころだ。人の二面性や裏切りなどに疲れている私にとって率直で優しく、平民出身であるにも関わらず他のキャラクターにも劣らない気品の高さを持ち、ただひたすら主人であるルーグに尽くすタルトは安心できる存在で他の数多くの視聴者をも惹きつけたのではないだろうか。

ルーグが好意に答えないなら私がもらっていきますね。

また、作中でルーグの屋敷に忍び込んだ密偵を拷問するときにそんな純粋なタルトが無表情で信じられないほど非道な拷問を行っているシーンはたまらない。ここで”何か”に目覚めてしまう者もいるかもしれない。

もう一点気になるところとして最終話の決闘でコールオブデューティーゴーストにも登場した衛星軌道から重質量の物体を投下して攻撃を加えるシーンや直接、敵に対して擬似的だが砲撃で正面から敵を攻撃しているシーンが本作の題材でもある「暗殺」の領域を逸脱している様にも感じて違和感を感じた。

なろう系作品として『そこまで出来る』というスゲー感を出す必要があったのかもしれないが不意打ちとはいえ、戦略兵器級の攻撃を繰り出してしまっては暗殺とは言えないのではないかと私は思ったしそれを見て「凄い!」とか「カッコいい!」とか思うことはなく『やりすぎなのでは』という感想しか出てこなかった。

トータルで見ると丁寧で見応えはあるがアニメだけで考えると物足りなさも残る作品となっていて、あとは原作の雰囲気や設定やキャラが視聴者に合うかどうかだろう。

冒頭でも述べたがやはり転生者やキャラの物語の側面などにはどうしても光が当たりにくい風潮があるなろう系アニメにおいてそれらを見て考える余地があるというのは一つの魅力として考えることが出来るのではないかと思う。是非、一度視聴してみて『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』という作品のキャラや世界観について触れてみては如何だろうか。

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