いつだって時は止まらずに動き続けて何にだって変化が訪れていますね。
百合の世界にだって変化は訪れます。それでも変わらないもの。百合界で尊い制度とされているのがスール(姉妹)制度です。
今回はそんな姉妹制度と学園もの。そしてそれにアクションファンタジーを付け加えた超大作の紹介をして参ります!
近未来の地球――
人類は「ヒュージ」と呼ばれる謎の生命体の出現で破滅の危機に瀕していた。
全世界が対ヒュージという一事に団結し、
科学と魔法の力<マギ>を結集した決戦兵器「CHARM(チャーム)」の開発に成功、
その使用者となる少女たち「リリィ」を養成する機関「ガーデン」を各地に設立した。
ガーデンの中でも名門と名高い百合ヶ丘女学院に
補欠ながらも合格を果たした一柳梨璃は、
人類存続のために戦うリリィとしての一歩を踏み出す。
かつて、自身の窮地を救ってくれた白井夢結を追ってこの学園を受験した梨璃は
登校初日に邂逅を果たすも、以前の夢結とはどこか違っていて……
儚くも美しく戦う、少女たちの物語が花開く──。
アサルトリリィ BOUQUET(公式サイト)
今回紹介する「アサルトリリィ BOUQUET」は30分枠の『ほとんど百合』のアクションアニメーション作品だ。登場当初からメディアミックス作品として制作されていて、舞台演劇やゲーム化など、幅広い展開がセットで計画されていただけに、アニメでコケたら相当な痛手を被るので失敗できない。つまりは背水の陣により制作された気合い充分な作品と言える。
今回の記事の冒頭で紹介したオープニング映像を見てもらえば分かる通り、実際にも本作はかなりクオリティが高い作品と言えるだろう。総じて作画も声優陣もクオリティが高く安定していて、中盤でお約束となりつつあるお茶濁し紙芝居タイムも無い「やりきっている作品」であることを高く評価したい。
その一方でメディアミックス作品として制作されたコンテンツのうち、アニメがそれほど高い割合ではなく、セットで展開されるゲームのヒットにつなげたいという意図もあるのか、ゲーム側との整合性を合わせる為なのか分からないが、ソシャゲのアニメ化作品もしくはそれの宣伝アニメに寄った演出や構成を匂わせるところがある。そうなってくると作品に対する没入感がどうしても損なわれてしまうので残念だった。
本作を語る上で最も重要なポイントはこの作品が『ほとんど百合』作品であるということだ(断言)。
作中で主人公の一柳 梨璃が
リリィって皆こう(百合)なのかな…?(歓喜)
*()内の文章は筆者の願望です。
と述べている通り、ほぼすべての生徒の関係性において百合を匂わせる要素があり、女学院で「ごきげんよう」なんて言葉使いをしている生徒たちが姉妹制度で結ばれるなんてこれで百合じゃなかったらもはや犯罪であると言えるほどに百合を感じさせるので、やはり本作が『ほとんど百合』であることは間違いないだろう。
ストーリーとしては美少女戦闘アクションものにお約束の『謎の生命体』である「ヒュージ」に襲われた少女、一柳 梨璃がそれと戦う能力をもつ少女「リリィ」である白井 夢結に助けてもらってからリリィに憧れて自分もリリィになることを目指すところから始まり、その後リリィを養成しつつその前線基地となっている百合ヶ丘女学園へ入学し、憧れの白井 夢結お姉さまと姉妹の契(シュッツエンゲル)を結び、学園で仲間を集めてリリィの戦闘単位である「レギオン」を結成して最後は自らの学園前のヒュージの巣を破壊するまでの過程が描かれている。(オタクくん特有の早口)
その中でもただ学園生活と戦闘が繰り広げられるだけにとどまらず、夢結のや梨璃の固有スキルをそれぞれの過去や性格などに反映させて、それぞれの心情描写につなげていたり、中盤以降はリリィの実験体である結梨が現れては死んでしまったりとシリアス要素も上手く落とし込んでいるので、本作はそこらへんのスマホ販促アニメとは一線を画する存在であると言えるのではないだろうか。(ほとんど百合作品である時点で神作品確定)
それでいて12話という時間の制約に押される形かちょっと都合よく話が進んでいると感じてしまうことはあるものの上手く伏線を回収したり主人公である梨璃と夢結の絆や彼女たちのレギオン一柳隊、そして百合ヶ丘女学園のリリィの活躍によって最終的にはいい感じに話が落ち着く最終話の終わり方は個人的にはスッキリとした気持ちで見終えることが出来て良かった。
気合いの入ったほとんど百合作品、是非ともその目で彼女たちの活躍を確かめて見て欲しい。
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