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2021年1月14日木曜日

第一話が第二話ってどういうこと!?

 皆様ごきげんよう。世の中にはあえてミスリードな演出や構成を入れることによって作品の価値を高めようという試みがされていて、「がっこうぐらし」に代表されるようにそのうちのいくつかは成功を収めています。

そんななか、そういった成功に倣おうとしたのか凝った演出や構成変更をした結果、不評を買ってしまった作品もあるのです。今回はそんな作品を紹介して参りましょう。



悠々自適な引きこもりライフを満喫する美少女ユナは、
VRMMORPG『ワールド・ファンタジー・オンライン』の廃ゲーマー。
ある日いつものようにログインしてみると、なにか普段と様子が違う。
もしかして……ここってゲームの中? それとも異世界?
そして、その地に降り立ったユナの装備は
『クマの服』『クマの手袋』『クマの靴』で固められていて――んん?
くま……? クマ……? 熊……? ベアー……?
「なんじゃこれはーーーーーーっ!?」
クマっ子、爆誕!
しかもこのクマ、ただのクマじゃない。
世界最強クラスの魔法とスキルを秘めた、
とんでもなくスーパーなクマだったのだ!
そんな、世界征服だってできちゃいそうな
強大な力を手にしたユナの目的――それは!?
この世界でも、ひたすら楽しく自由気ままに生きること!
最強無敵なクマっ子による、クマな冒険とクマな日常の物語、始まります♪


くまクマ熊ベアー(公式サイト


今回紹介する『くまクマ熊ベアー』は異世界転生ファンタジーアニメーション作品だ。小説になろうを源流とする最近では1放送期間につき最低1枠は用意されている人気ジャンルの作品となっている。

たいていのなろう系の異世界転生ものでは主人公が男の場合が多いのだが今回はそうではなく、一人の少女が転生するというストーリーとなっていて少し変わった視点で見ることができるかもしれない。

…そう、ほとんど百合作品として。

ストーリーとしてはいわゆるリア充とは対照的にリアルでの生活にほとんど縁も興味もなくゲーム(VRMMORPGが進化した世界のもの)にのめり込んだ少女が普段どおりゲームにログインしようとするとログイン時のプレゼントとしてくまの見た目の装備一式を受け取りついでにアンケートを受けたら実は神様の異世界転生をするかしないかの判断材料としての質問で異世界に飛ばされちゃいました。と割と雑な入り方をする。だがしかし、異世界転生の部分について特に言及せずにさらっと異世界へ移動するやり方を見すぎて感覚が麻痺してしまったのだろうか。その点について特には何とも思わなかった。

ここで本作の評価が落ちている原因ともなる第一話について解説しておきたいのだが、第一話では異世界転生後の話を、まるでその作中の冒険談がVRMMORPG中のクエストであるかのようなミスリードを引き起こす様な構成と演出によって描かれていて、単純に『分かりにくい』とか『混乱しただけ』とか『原作改変だ』などとかなりの指摘がされている。

実際に前情報をある程度仕入れた上で視聴した私でも物語の導入についてはっきりと把握できたのは第二話からだった。実際に1話と2話の順番は原作ファン絡みても意図的に入れ替えられているらしい。それなので本作には序盤で意味がわからなかったり多少ストーリーについて薄さを感じることがあるかもしれない。そこで視聴を続けられるかどうかによって本作全体の評価もまた異なってくるのではないかと思う。

最序盤である1話については先程述べたとおり謎が多くあまり褒められたものではなかったが、作中の作画もそれ以降の展開も特におかしな点はなく(なろう系小説として見れば)よくある主人公が新しい世界で今までいた現実世界よりも無双するしモテたり良いめぐり合わせに出会うことが出来るという内容に加えてロリハーレムものという豪華な要素が沢山詰め込まれていて、そういう内容のアニメを好む人にとって最終的には視聴してみてよかったと思えるなかなかクオリティの高い作品に仕上がっているとも思う。それだけに1話でかなり損をしたスタートになってしまったなと残念でならない。

作品全体のストーリーの概略としては異世界転生してきたユナという少女が森で偶然出会った少女フィナと一緒に様々な魔物を討伐したり街の騒動を転生時に持ってきた「チート級」のクマの装備と今までのMMORPGおよびデイトレーダーで鍛えた知識でもって解決したりする。というものだ。

それに加えて登場人物のうちに幼女が多数混じっていて主人公であるユナをほぼ確定で慕うようになるというただの異世界転生モノの枠に収まらない。女性主人公のロリハーレムアニメつまりほとんど百合)の性質も兼ね備えた神作品となっている。

登場するキャラクターが数多く存在して各話毎に新キャラが出ているのではないかというレベルなのも本作の特色と言えるだろう。従順で幼いが時折包容力をちらつかせてバブみを感じさせることもある主人公ユナの相方となるフィナから、海沿いの街の冒険者ギルドのマスターで露出度が高くエッチな服のお姉さんのアトラさんまで幅広い属性に対応できる上に主人公が女の子なので関係が深まっても百合関係としてやさしく見守ることが出来る安心安全なアニメとなっているところは評価が高くなるポイントではないだろうか。

最終話が近くなると特に主人公のユナとフィナの関係は近くなり…

ユナ「私は、フィナがいいんだ…」

フィナ「私はユナお姉ちゃんと一緒がいい。一緒にいたいの!!」

フィナ「くまさんは、私をたべますか?」

と二人の絆が更に深まる姿をみてあら~とニヤけながら声を上げてしまうかもしれない程にも百合要素を感じられるところも素晴らしい。

さて、真面目な話に戻して全体を振り返っても現実世界で「お金」以外の要素についてあまり重要視せずゲームに逃げて淡々と日々を過ごしてきたユナが異世界でフィナや街の人々、そして冒険を通じて出会った人とかけがえのない時間を過ごすことによって「お金より大事なもの」を見つけるなどいい話も詰まっていて本作は優しい気持ちで視聴する事のできる作品であると言えよう。ぜひともその目で確かめてみては如何だろうか。

最後にこれだけ、フィナの膝枕をユナがなんと仰向けでして、ニヤけているシーンがあったが「なんてうらやま…」大変けしからんので今すぐ私とそこを変わるように!

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