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2020年7月1日水曜日

ん~、まあ普通ですかね?

「〇〇さんって□□が得意って聞きましたけどどれくらいお上手なのですか?」
なんて質問への返しのど定番「普通ですよ」や「中の下or上」くらいですねというがありますが
普通ってどんなものなのかと問われると難しいところがありますよね、今回はそんな普通を追い求める少女が求めた「平均値」が常識外の異世界転生モノの紹介です!


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シリーズ累計80万部を突破した本作が
ついにテレビアニメ化!

魔法や剣の異世界を舞台に少女たちの成長や友情を
笑いあり、ドラマありで描く、平均値(!?)ファンタジー!

私、能力は平均値でって言ったよね!(公式サイト


今回紹介する「私、能力は平均値でって言ったよね!」30分枠のなろう系原作の異世界転生ファンタジー作品だ。
もはや毎期おなじみとなった「異世界転生枠」のうちのひとつとして登場した本作だが、さすがに設定を少し変えただけでは飽きられられてしまうと思ったか少し曲げた演出や内容となっている。
本作は、このシリーズで親の顔より見た「なぜ異世界に転生してしまったのか」というシーンや異世界に転生してとてつもない力を発揮するに至ったのかという所まではテンプレをあえて使って省略して他作品のオマージュ表現やギャグテイストな演出やストーリー展開に力を入れることによってより日常系かつギャグ系に近いライトな作品として仕上がっていた。


それもあって、ストーリーはあって無いようなもので、原作ではよりアニメよりストーリーが進んでいることで主人公であるマイルが転生した世界の謎や世界観や設定を掘り下げていることが出来ているのかもしれませんがアニメ本編だけを視聴しただけではペラッペラなので特筆することはない。
簡単に流れを説明すると異世界に転生した主人公マイルがハンター(冒険者)を目指してハンター養成学校に入学して仲間と出会い成長するのに3話ほど、そしてその後あっさり卒業してある程度仲間のキャラクターを掘り下げながら冒険が少し繰り広げられて最終的にはすべての能力値が「平均値」の少女となったはず主人公が作中世界最強の龍を打ち倒すところまでが本編では描かれる。


本作を語るためには魅力的な主要登場人物の紹介は欠かせないものと言えるだろう。

主人公のマイルは偽名で実名はアデル・フォン・アスカムとして子爵の家に生まれた貴族だった。だが家庭環境は悪く父親の謀略によって母親と祖父を殺されて悲惨な境遇を送ってきた。
そして更には異世界転生者でもあり、前世では女子高校生時代に暴走トラックに轢かれそうになっていた少女をかばって事故に合い転生していて前世の記憶を幼い頃に取り戻している。その知識は転生後の中世レベルの転生後の正解の知識を凌駕するものであり、その面では意図せず彼女の強さの一因となっている。そして、彼女の強さの一番の点は彼女が転生時にお約束の「なんでもひとつ願い事を叶えてくれる」の願いに「平均値を望んだこと」だった。
彼女の望んだ平均値はその世界の最弱(みじんこレベル)と最強(古龍種)の平均値の能力を持ったものの間の平均値として転生していて古龍が強すぎるが故に平均値をとってものマイルの力は人間の平均値と比べると6800倍ほどの力となっている。


ちなみに作中後半では集中力を高めることによって力を倍増できるという設定が明らかになりそれによって平均×高倍率によって最終的に今作中で最強の古龍種にすら打ち勝つ力を発揮してしまった。
最強を打ち倒す平均ってなんなんだろうね…

ちなみに私は今のマイルちゃんよりも転生前のいかにも清楚系JKの栗原海里ちゃんの方がタイプだ。



そして続けてレーナについて語っておこう。
彼女は魔術師で父とともに行商の旅をしていたのだがある日、旅の途中で盗賊に襲われてしまった時に父を殺され、そしてその際に偶然出会って助けてもらった冒険者の一行と旅をする様になるも同じく盗賊との戦闘で冒険者達は皆殺しにされてしまった。2度も大切な人を奪われてしまったことによって激しく盗賊を憎悪すると共に、もともとは家事の補助程度しか出来なかった魔法も凶悪化してしまい殺傷能力の高い攻撃力特化の魔術師となって登場するのだが、マイルと出会って仲間と打ち解けるうちに少し丸くなって攻撃よりも万能型の魔術師となっている。


だが、何よりも重要なのは彼女が「ツンデレ属性」を保持していることにあるのではないかと思っている。普段からツッコミやツンツン枠の彼女が時折見せるデレはまさにツンデレテンプレートのお手本的な存在であり、そこに惹かれる人も数多いことだろう。


続いてポーリンだが、見た目はゆるふわ系お姉さんで母性をMAXに感じることができるまさにおねショタ系漫画に出てきそうなキャラでありながらも、中身になにかとてつもないモノを抱えているというキャラとなっている。


本作の腹黒サイコ枠はこちらとなります。それでも性格に難ありというわけではなく、商家の生まれで、環境から計算高く裏表のある性格になってしまっているだけで普段仲間とともにあるときは時折「片鱗」を見せつける以外は見た目通りやさしく仲間思いのキャラ枠として癒やしを与えてくれるだろう…たぶん…



最後にメーヴィス(メーヴェヴィス・フォン・オースティン)だが、見た目通り、冒険色のなかでなんでもこなせて剣士兼魔法使い(両方とも最強クラス)を除いて剣士枠として登場するキャラだ。


貴族のなかでも王国で軍に近い家に生まれて周りに兄が何人もいる上に活躍する父親の背中を見て育った彼女は自分も剣士の道を志すが、父親は娘に淑女として育って欲しいと願っていて剣士になることに反対されてしまい家を飛び出してハンター養成学校で剣の腕を磨こうと入学してマイルたちと出会うことになる。
育った環境も性格もそして剣の腕も特筆することはなく、いたって普通の女剣士枠の彼女だが、他が異質すぎるだけに彼女の存在は主人公の所属するパーティ「赤き誓い」にとってバランスを取るために必要不可欠な存在となっている。

主人公を含めてこれら4人の少女達がその個性を発揮したり、また、キャラ毎の過去を精算したり語ったり、冒険したりとストーリーは進む。そしてそれを観るというのが本作である。


なろう系作品にありがちな無双主人公キャラ、そして女の子しか登場しないという癒やし(重要)、また、異世界で無双するというところよりかは細かい演出に力を入れている本作は、冒頭にも述べた通り他の異世界転生モノより親しみやすいライトな作品として仕上がっていると言える。その一方で主人公を含む主要キャラたちは設定や個性が濃く、単調な印象はなり難く、「異世界転生モノの山」に埋もれることはなく、視聴した人に十分な印象を残すことのできる存在感のある作品であると言えよう。
しかしながら、インパクトや差別化は十分なものの、やはり基本というか根本的なところは「異世界転生モノ」であるという点や、オマージュなどで得点を稼ぐスタイルは逆に言えば本編の魅力を伝えるためのリソースをそちらに割いてしまっているとも言えるので、作品自体をみて「すごく」面白いか?と言われるとそうとも言い難いところはある。


そうなってくると本作はあふれる「なろう系」の「異世界転生モノ」に埋もれてしまうような凡作ではないものの、神作品とまで言われるほどのポテンシャルを秘めているともいえないものであるといえるだろう。
しかしながら、逆に考えて見ればストーリーや演出などひとつひとつが重すぎないおかげでおやつを食べるような感覚で気軽に視聴するにはちょうど良い作品として視聴する分には本作は十分におすすめ出来るものといえるのではないだろうか。
ぜひともその目でマイルとその愉快な仲間たち「赤き誓い」の冒険を見届けてみて欲しい。

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