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2020年3月31日火曜日

だから、私達は…かけがえのない一人を選ぶ!!

青春…美しいビーチ…爽やかな演出…
そんなあってないようなアニメ、登場しました!!


東京から沖縄に引っ越ししてきた高校2年生、大空 遥。いつでも明るく前向きな遥だが、
彼女にはコンプレックスがあった。それは普通の女の子より身長が高いこと。

一方、遥を空港に迎えに来た彼女と同い年の従姉妹、比嘉かなたにも悩みがあった。
かなたは身長が伸びなかったせいで、大好きなビーチバレーを諦めてしまった過去を
持つ。そんな凸凹な2人が、ふとしたきっかけでビーチバレーのペアを組むことに……。

広い砂のコートに見方はたった一人だけ。何よりもパートナーの存在が大切なビーチ
バレーで、2人はどんなプレーを見せるのか!?真夏の太陽が照りつける沖縄の
ビーチで、今、少女たちの汗と情熱が輝き始める!!

はるかなレシーブ(公式サイト


今回紹介する「はるかなレシーブ」は30分枠のスポーツアニメ(自称)だ。まんがタイムきららフォアードにて連載中の漫画のアニメ化だ。



さて、本作はスポーツアニメということだが、どんなスポーツを扱うかというとビーチバレーを扱うものだ。筆者にとってビーチバレーと聞くと普段見る戦争映画のせいで海兵隊の体型の良いムキムキマッチョおじさん or 兄貴達が戦闘の前に金や酒をを賭けて砂浜で泥臭く戦うシーンばかりだったので、この「はるかなレシーブ」を見てかなり新鮮でビーチバレーに対してかなり印象が良くなった。

実際、舞台が沖縄ということや登場人物に男の要素がないことや「ビーチ」バレーなので水着姿の女の子が爽やかに砂浜で汗を流す姿を見ることができるのは本作のとても魅力的な部分と言えるだろう。



一方、スポーツアニメとしてだけ見るとスポーツ要素を「主軸」として本作が構成されているかというとそういう訳でもなく、実際にスポーツアニメとして本作に期待を寄せた視聴者の感想はあまり高いものではなかった。確かにスポーツアニメとしてだけ見るとそれ以外の描写を引き伸ばしていたり、初心者から始めた主人公を含むペアが全国大会まで進んでしまうことを考えると都合が良すぎる(スポ根成分が足らない)気がする。

しかし、これは作中でも触れられているが、ビーチバレーという競技は個人技以外に特に「2人だけ」という環境において戦うので意思疎通や心理戦など精神的要素が強くでるスポーツとなっていて、本作ではそれを強調するとともに、ビーチバレーを通じた「はるか」と「かなた」の『青春』を描くスポーツ日常系作品が仕上がったといったほうが良いと思う。
それなので完全にスポーツアニメとして見ると及第点にも及ばないかもしれないがよくある青春系の部活動をテーマにした作品で『ビーチバレー』を取り入れたものとしてみると評価は一変して良いものに変わるのではないだろうか。


そしてこれが最も重要な点なのだが、本作が「ほとんど百合」作品であるという事実を告げておこう。

作中では『響けユーフォニアム』よろしく、いや、それよりもダイレクトな「愛の告白」イベントが発生するし、かなたの昔のバレーの相方を『元彼女』と称して嫉妬ムーブに走ったり、いちいちくっついて顔を赤らめたりするあたり、間違いないと断言できる


もちろんほとんど百合作品としてだけでなく、作中全体を通してビーチバレーという競技に挑む少女たちの身長を理由にした挫折や、それを乗り越える過程での葛藤やその心理描写、そしてほどよい彼女たちの日常の描写に加えて百合。これらがバランス良くそして南国の雰囲気に合わせて爽やかに感じる演出とともに映し出される本作は見応えのある作品だ。


そんな魅力的な作品を見ているうちに、また、ビーチバレーボールに対するイメージもグンと上昇していて、筆者も本作を視聴してみてすこしスポーツとしてのビーチバレーという競技に興味がわいてきた。実際のスポーツ鑑賞への入り口にもなるかもしれない「はるかなレシーブ」、視聴してみてはいかがだろうか。

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