Translate

2019年11月26日火曜日

SANDSTORMは成功作か失敗作か?

もうすでにリリースから1年の歳月が経とうとしているInsurgency Sandstormくんをいまさら購入して遊び始めた私から見て、『本作は新作FPSとして成功したのか失敗したのか?』についてやプレイした感想について書き連ねたいと思います。

そもそも、Insurgency Sandstormをなぜ今になって購入してプレイするに至ったかと言うと「call of duty modern warfare(2019年版)」(以降COD:MWと略します)の存在を語らねばなりません。


私にとってCODシリーズは1からMW3まで遊んでいて、とくにMWやMW2ではかなりお世話になった作品です。それらの作品に回帰したという前情報もあり、かなりの期待を込めてCOD:MWのオープンβテストに望みました。
しかし、プレイした結果は凄惨たるものでまずそもそも接続しているサーバーが不安定なのか自環境との相性が悪かったのかはわかりませんがマルチプレイモードで遊び始めるのにログイン試行ゲームを数回重ねてやっと試合が始まっても開始3分ぐらいで『接続が切断されました』と表示されてそもそもゲームが遊べないという悲しい結果になってしまいました。

そしてなにより操作性やゲームプレイの体験が「良くも悪くもCOD」でこの新作CODの操作感は既にCODを遊び尽くす程にやりこんだ上で他のFPS作品に手を出している私にとって「コレジャナイ感」が強くあまり面白いと思えなかったのです。
しかし、その一方でCODのベータテストで「カジュアルライクな現代戦FPSの楽しみ」を少し経験した私は「そもそもプレイできないCODの新作はクソゲー」という結論とともにアンインストールするとともに、CODの様なカジュアルさや自由なカスタマイズ性をもちながらも操作やゲームシステムではリアル系FPSであるInsurgency Sandstromに対する評価を見直して購入することにしました。

INSURGENCY SANDSTORMとは…?


Insurgency Sandstormは2018年12月13日にリリースされた現代戦の低強度紛争を舞台にしたリアル系FPSで、前作にかの有名なカウンターストライクMODからの派生で既に成功を収めている無印版Insrugencyも発売されている歴史もあるゲームです。


銃撃音や環境音、スコープの見た目や各種装備品の扱い方に関するこだわりはかなり強くミリオタが喜ぶだけでなく普通にFPSをプレイしていてそれほど軍や銃に興味のない人もその臨場感あふれるサウンドや演出に感動すること間違いでしょう。


前作が存在するのでそのときからの多くのフィードバックの積み重ねが今作には活かされていて、その間に同じ開発元から発売されたDAY OF INFAMYという第二次大戦をテーマにしたFPSにて導入されていたコマンダーによるオフマップサポートアビリティの追加など様々な要素が今作に追加されました。
また、ゲームエンジンがソースエンジンからアンリアルエンジンに変わったことによって要求スペックは高くなったものの、前作のソースエンジンを利用した無印版Insurgencyではリアル系には少しかるすぎてうまく表現できていなかった各キャラクターの動作や操作感が大きく改善されています。

これらの情報を見ると「なんだ、神ゲーか…」となるかもしれませんが実際には私がメインでプレイしていて同じく年代がかぶる村ゲーであるSquadよりもプレイヤーは少なくプレイヤーが定着しているとは言い難く平均プレイヤー人口も総プレイ時間の平均値も低いものになってしまっています。

なぜ人が定着しないのか?Insurgency Sandstormをプレイして、また話題にしていろいろと感じたことや気づいたことを挙げてみたいと思います。

1.リアル系らしいスピード感に欠ける展開。
これはリアル系FPS共通の問題かもしれませんが、実際の戦場に似せる上で「ゲームのテンポよりも現実感をとってプレイヤーが死にやすく、リスポーンなどの機会が制限されている」ゲームシステムが採用されています。
今後言及するAIの超絶プレイも相まって運悪く出撃直後にやられてしまい、そのあと次のスポーンの機会を得るまで長い間なにもできずに芋るプレイヤーの画面を見させられ続けることもあります。

2.AIの挙動の不自然さ
リアル系FPSということでプレイヤーの動きはかなり現実に近づけた「良い意味で」不便さのある操作性がこの手のゲームをプレイにはつきものですが、対するAIは難易度やAIの挙動制御のプログラムの難しさを考慮したとしても「対物ライフルを走り撃ちで頭に当ててきたり」「本来2脚をつかって強い反動を制御して使うような大型の機関銃を遠距離から立ち射ちで精密射撃してきたり」「一度見つけた敵に対しては壁に隠れてもしばらくその位置を透かして壁貫きしてきたり」といった挙動を見せてきます。
これが前述したスポーンシステムやプレイヤーの打たれ弱さと相まってストレスの原因となることもありますし、なによりもすぐにやられてしまっては戦場の臨場感や「リアルさ」を体感できないのでそれを台無しにしてしまっているところが大きいのではないかと思います。(開発者理不尽にすぐやられてしまう可能性がつきまとうというリアル差を反映したかったのかもしれません。)

3.アップデート頻度の遅さ。
ロードマップは公開されていますがその開発速度はかなり遅く、公表された実装予定のコンテンツや機能がいつまで待っても実装されないといういらだちを感じるプレイヤーも少なくないはずです。
そのため、ある程度やり込むとマップ数の少なさなどからコンテンツを遊び尽くしたと判断して「クリア」してしまう人も多く総プレイ時間の平均値の低さにもつながっているのではないかと思います。

4.対人ゲームとしての調整不足
リアル系FPSというのは医療システムにしろさまざまな動作にしろ複雑にしたり難しくすることによって対人戦においてその「撃ち合い」を純粋に楽しめなくなってしまうことが多いです。
FPSゲームとしての面白さを維持できなければ万人には受け入れられません。そこで「対人FPS用の調整上の妥協点」が必要だと思うのですがその点に配慮した調整がされているとは言い難く、実際にカジュアルな対人マッチングにはCoopと同程度の人数の人口をかろうじて維持できていますがランクマッチに相当するゲームモードで対戦相手を見つけることは至難の業(ほぼ人口0)となってしまっています。

ここまでふりかえってみると素地は良いモノの人を選ぶリアル系FPSという枠をうまくカジュアル層でも楽しめるように落とし込めなかったことや開発スピードの遅さやなによりもそのゲームタイトルの「リプレイ性の高さ」につながる「PvP要素」が死んでいるという点が今作にとっては惜しいところです。実際に遊んでみてそのゲームの臨場感やゲーム性の素地の高さも感じられるだけに非常に残念です。

こうして私は今作が「成功作か」「失敗作か」という問に答えるとすれば非常にもったいない「失敗作」であると言わざるを得ません。

それでも私は今作を購入して遊んでいます。
リアル系FPSが好きな人なら操作性やその雰囲気の良さは必見の出来具合でありますしCoopモードでAIの挙動も多少目を瞑ってプレイヤーの動きの工夫で対処すればそれなりに遊べます。
それなので私は今作をリアル系FPSが好きな人や現代戦の新しいゲームを探していて「雰囲気」等を重視しているという人がいればたとえ今作を「失敗作」と捉えていてもおすすめするでしょう。

それなりの頻度でウィークエンドセールやフリープレイが実施されていますので気になる人はウィッシュリストにでも放り込んでおいて機会がきたらその目で確かめてみてください。


0 件のコメント:

コメントを投稿