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2019年10月11日金曜日

世界よ。これがジャパニーズプロレスだ。

皆さんはなにかの趣味に打ち込んだことはありますか。
ゲームにせよ、競技にせよ、はたまた芸術にせよ。様々な形でその優劣をつける場が存在するものです。
そんななかで数多くの人たちが「一番」を目指して練習や努力を惜しみません。
そんな勝負の世界を描いたアニメを紹介いたしましょう!。


国民的アイドルグループ『Sweet Diva』で人気を二分する萩原さくらと宮澤エレナは、ライバルでもあり、また、お互いを認め合う大切な仲間でもあった。ある日、TV番組の収録で『ベルセルク』のプロレスラー・風間瑠緒と絡んだエレナは、プロレス技を受け怪我をしてしまう。大切なものを傷つけられたさくらはエレナの仇を取るため、プロレス勝負に挑むのだった。さくらは戦いの末に何を見つけるのか!?

世界でいちばん強くなりたい!


今回紹介する『世界でいちばん強くなりたい!』(今後、公式の略し方を倣って【せかつよ】)は30分枠のスポ根+エロアニメだ。
せかつよはアース・スター初の30分アニメということで、初めてなのでやはり応援してあげたい。多少の粗が目立ってもそれに目をつむり応援するのがアニメファンじゃないか…
そう…初めてなんだから…。


ということで今回は久しぶりにクソアニメハンターの血が騒ぎ立てるなかなか味わい深い作品となっている。

まず、ストーリーを紹介するにあたって最序盤のシーンから順に語って行きたいのだが早速、不穏な始まりを迎えることになる。
いきなり大音量で喘ぐのだ。
そしておっぱい、尻、悶絶する姿のアップが私達に強烈な何かを訴えかけてくる。



その後にオープニングが流れるのだが、割とオープニングは良い。熱い演出とアップテンポの曲がマッチしていて今作が「プロレスアニメ」なのだと認識させてくれる。
これは最後まで視聴して慣れてしまっていたから言えることなのだが、最初に視聴を始めたときには喘ぎ声と熱い演出のギャップにただただ困惑させられることは間違い無いと言える。


その後はあらすじにもある通り、最初は主人公のさくらちゃんがアイドルをしているところから始まり、そのアイドルグループの活動の一環としてテレビの番組でプロレスのチームに体験入門しに行くことになる。そこでライバルのエレナちゃんがなんやかんやでそのプロレスチームに所属するプロレスラーである風間瑠緒と絡んでボコられてしまい、その仇討ちをするために試合をすることになる。
そしてその試合で負けたさくらちゃんはその勝負でdisられたアイドルのメンツを取り戻すために、そしてその負けず嫌いの性格からプロレスプロに転向してリベンジを果たそうとすることになる。


その後はさくらがプロレスラーになるまで、そしてプロレスラーになってから目標としていた風間瑠緒勝つところまでで全放送話12話のうち6話ほどを費やす。

そこではさくらちゃんが負け続きのスランプに陥るシーンもあり、さくらちゃんが技を決められて『ギブ…アップ…』と試合を放棄するところも描かれるのだが、正直視聴してる側も同じ気持ちになってしまっていた。




それでも私は諦めない。だって私にはさくらちゃんがアイドルにかける気持ちと同じくらい(クソ)アニメハンターにかける熱い気持ちがあるから(折れかけ)。

風間瑠緒とのリベンジマッチの試合終了後に今後どうするのかと試合相手の風間瑠緒から問われたさくらちゃんは「世界でいちばん強くなりたい!」プロ続投の宣言をしてしまう。
そもそもプロレスのプロに転向した目的を果たした彼女がアイドルに戻らないと宣言したところで唖然とした視聴者を置き去りにしてさくらちゃんは着々とプロレス道を極めて行く。


はたして着地点はどこにあるのだろうか…このままはるか彼方へ私達を置き去りにして飛んでいってしまうのかそれとも派手に墜落するのかという視聴者の不安をちらほらと見え隠れする怪しい作画が助長させる。


そもそもガチマッチとしてリアルではありえない八百長なしのスポ根バトルを繰り広げるはずのアニメだったのに後半ではエンターテイメントとしての「プロレス」を描いたり、謎の必殺技フィニッシャーを開発したりともう設定もブレブレになって最終回が近づく程、作品としてもいよいよ終わりは近いかと思ったそのときに謎の仮面プロレスラーが現れてさくらに挑戦を叩きつける流れになる。
そして後半から最終話までにかけて仮面レスラーに対する対策と対戦が描かれるのだが、ここで強引に、だが一応はきれいにまとめてきた。ここの力技にはまさにプロレスアニメらしい一面を見せてくれたという点において評価されるべきではないだろうか。


以下ネタバレ注意
そして11話から最終話の12話にかけての謎の仮面プロレスラーとの対戦で衝撃の事実が明らかになる。なんと対戦相手はアイドルグループでのライバルのエレナちゃんだったのだ。
アイドル活動の傍らでプロレスを同じ期間練習してきたという設定はあるもののプロとして完全にプロレスの練習や試合にのめり込んでいたさくらちゃん相手に五角以上の戦いをするエレナちゃんに疑問を感じるもののそんなもの、いままでのよれよれな設定を見てきた視聴者としては「そういうものだ」と慣れてしまっていて『やっとオチがついて、ライバル同士の戦いで決着がついてさくらちゃんがアイドルに戻るかプロレスラーとして生きていくかのどっちかに決まるんだな』と安堵したのも束の間、なんとさくらちゃんはアイドルに復帰するもプロレスラープロを続けて、さらにライバルのエレナちゃんもプロレスプロに参戦し即、海外ツアー(アイドル&プロレス)に出発するというとんでもない着地点に強引に降り立ってしまうのだった。


今作を評価するにあたって2つの要素がミックスされていることが挙げられる。
それはエロスポ根要素だ。
そしてそれらは油と水のように交わることなく相反するものだった。
スポ根アニメを求めているものはエロを求めていないしエロを優先したらスポ根要素が笑えて見えてしまうのだ。それを実際にやってみせてどうなるかを後世に前例を残したという意味では今作の存在意義は大きいのかもしれない。

とにかく、戦って、幾度も狙ったお色気シーンをアップで写して、なんとか「私達の戦いはこれからよ」とアイドルもプロレスも頑張る形で丸く(無理やり)収めた本作は、視聴を続けるためには高度な訓練が必要なほど特殊なアニメであることは間違いないのだが、慣れれば見れないことのない作品だし、今後見ることはないであろうエロとスポ根の2つの要素が混ざり合う希少なアニメとしては視聴の価値がある一品といえるだろう。
何故かパチンコにも導入されている成長株?の本作をアニメファンとしてぜひとも視聴してみては如何だろうか。

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