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2019年1月12日土曜日

難民キャンプの多様化

アニメの世界は奥深い。歴史を積み重ねてきた結果としてアニメの世界はその奥深さを積み重ねてしまいました。
その世界に迷い込んだなら最後。私達はこの世界から抜け出すことはできません。まさに終わりのない迷路の様なのです。
今日はそんなアニメの世界でまさに迷路町を舞台にした日常アニメを紹介いたしましょう!


占いの町・迷路町。ここは不思議な力を操り、人々に道を示す『うらら』と呼ばれる占師が集まる町。そこにやってきた千矢は、山育ちで動物に好かれるけれど、一般常識のない女の子なのでした。そんな彼女は紺と小梅という同い年の少女に出会います。2人は千矢と同じく棗屋という占い処への招待状を持っていました。それはもちろん、占いを学ぶため。棗屋の人見知りな妹ノノも加えて、4人の生活が始まります。占の都の迷路帖。『うらら』を目指す少女たちの日々。これより開幕です。

うらら迷路帖(公式サイト


今回紹介する『うらら迷路帖』は占い×おんなのこ×青春物語の日常系作品で30分枠のアニメ作品だ。
原作作品は漫画で2017年の冬アニメ作品と記事執筆時点では比較的新しい作品となっている。

今作の特徴的な点のうちのひとつとして独特の世界観と設定が挙げられる。
日常系作品では視聴者に与えられる感情の成分がなるべく『甘い』ものになる様に配慮されているせいかあまり奇を衒った作品が出てくることは少なく、作品の時代設定のほとんどは現代で私達の住まう世界と同じ世界感の設定を背景に物語が進行することが多いのだが、今回紹介する『うらら迷路帖』は登場するキャラクターが、特殊な能力をもつ少女である「うらら」神様幽霊そしてかなり古風な町並みにおそらく時代設定は大正か明治あたりと時代設定も古めで日常系作品の中ではかなり異色な立ち位置となっているのだ。


そのせいか、日常系のみを食べてきたニチタリアンの方々の中には今作を食したときに色とりどりの味の変化についていくことができず本作について「分かりづらい」と評したりして低評価をつけている人がいるのを散見する。
そういった低評価が見られる一方でクソアニメハンターの私は今作についてかなりの高得点をつけている。
今作がほとんど百合作品である可能性も含めてのものもあるのだが、日常系作品としてのポイントも抑えつつ、日常系としては異色な世界観・設定をもとにストーリーが織り交ぜられていて私は日常系作品が好きなのであまりこういう言い方をしたくはないのだが、ただ淡々と「女の子たちがきゃっきゃうふふな日常を過ごす」のを思考を止めて視聴しふわふわした気持ちで見るような作品ではなく、「うららの力の源」だったり「主人公の千矢ちゃんの母親,そして父親の正体」についてなど物語の真相というかこれからを追い求める楽しさもあったりどちらかというと「一般的なアニメ」に近い日常系作品であるのではないか、そしてそういった作品もありなのではないかと思わせるものだったので私は今作を楽しんで見ることができた。


今作にてメインで登場する少女たちは4人で割と少なめになっている。
まずいちばんメインで描かれてストーリーの進行上も主人公的な扱いとなっているのが「千矢」ちゃんだ。千矢ちゃんは今作において一番謎に包まれているキャラクターだ。
何らかの事情によって母親から友人に幼い頃から預けられていて預け先の友人が住んでいるのが人里離れた山奥だったという事情があり、それに合わせて「野生児」というアニメのヒロインにしては珍しいステータスをもっているキャラクターとなっている。
山では周りに動物ぐらいしかいないということであまり服装などに関心を示さずむしろ「全裸」の方が動きやすくて良いというスタンスをとるなんとも視聴者にとっておいしい展開をもたらす考え方をしている。


今作における露出方面のインフルエンサーとして重要な役割を果たし、今作の”日常系”作品にとっては珍しいストーリーの主軸でもある、まさにうらら迷路帖の重要な構成成分と言えるこの娘は他方では今作の評価を押し下げる存在にもなってしまっている。
「野生児」という強烈なキャラクター性はそれを理解して受け入れる「寛大な心」を持たないせっかちさんな視聴者にとって我が強くなりふり構わず周りをかき回しただ他のキャラを脱がせようとして露出を増やすための強引なキャラクターに映ってしまう様だ。

作中後半では彼女の秘められた力が発動したり過去(母親の話)が少し明らかになったりすることで彼女に対する理解が深まるとともに。今作がただの日常系作品ではなかったということを再認識させられることになるだろう。


そしてそんな千矢ちゃんとどう考えてもほぼ公式カップリングだろと考えざるを得ない”特別な関係”「紺」ちゃんも紹介しなければならないだろう。
まず、作中でも度々確認されることだがこの”耳のようなもの”は耳ではなくリボンだそうだ。だが、名前と得意な占いからもわかるとおり、かなり狐に寄せたキャラクターデザインとなっていてそれが作中でも度々ネタにされている。
「紺」ちゃんは名門茶屋「巽屋」の娘で実家で学んでも良かったのだが同じうららをめざし、更にはそのうららの中でも一番うらになりたいということで家を出て主人公である千矢ちゃんも学んでいる「棗屋」で修行することにした健気な女の子だ。性格も真面目なタイプで今作においてはいじられキャラだったりつっこみキャラだったりという立ち位置の幅は大きく、幼いころから本をよく読んでいたり高名なうららである母親をもっていたこともあって迷路帖のうわさや情報についても詳しかったりすることので今作における案内役も担っている。


狐っぽい設定はネタにされるだけでなく紺ちゃんの得意な占いにも反映されていてこっくり占いを進化させてお狐さまを自身に憑依させるという荒業も会得している。
ちなみにお狐さまに憑依された紺ちゃんは狐くさいっぽい。ぜひとも私もお狐さま憑依前と後の匂いの差を嗅いで確かめてみたい。
どこかのメーカーさんグッズ制作の程、よろしくおねがいします。


それ以外にも同じく一番うららを目指す2人の少女として日本一の魔女になりたくて一番のうららをめざす令嬢「小梅ちゃん」と棗屋の主人であるニナさんの妹で人見知りキャラの「ノノちゃん」が加わってこの4人を中心に日常が描かれてそれに伴ってストーリーも展開して行く。

ちなみにそのうちの一人の小梅ちゃんは振り子占いを得意としていて専用の振り子に名前をつけている。イメージキャラクターの「ユレールちゃん」(6しゃい)が可愛い。決してロリコンというわけではない。


だが非常にも持ち主の成長に合わせてユレールちゃんも6しゃいから18歳のお姉さんに進化してしまった…。さよなら幼女…でもおおきなおっぱいもまた…


また、今作がほとんど百合作品であると私は主張したい。第三話で髪結びは縁結びとフラグを建てておいてからかなりつよく紺ちゃんと千矢ちゃんの髪が絡み合うシーンや、町中で「服を脱いで迫ることによって友達の関係を深めたい!これって普通でしょ?」からのいちゃつきなど例を挙げるときりがない。

特に作中後半で”いけないこと”がしたいコンちゃんが禁じられた遊び…いや、禁じられたまじないをしてしまうってうららとしての能力を失ってしまうかもしれないという流れになり、不安と悲しみでいっぱいのこんちゃんを励ますために頬の涙を舐めとる主人公と押し倒されるこんちゃんを見た瞬間に確信した。これは百合ですね(確信)


ダメ押しに「神様が駄目っていったって、こんとずっと一緒にいる!」ってセリフまで飛び出している。プロポーズかな?

これだけの要素がつまっているアニメを「ほとんど百合」作品でないとしていったいなんだというのか!?

なんだんかいって最終話ではストーリーとか関係なくサービスシーンと日常パートメインのお風呂回をブチ込んでくる。さすが制作陣はわかっている。
つまり今作は日常枠として日常系のあるべきお約束をしっかりと踏まえた上で普通の日常系では取り扱わないようなテーマを取り扱いつつストーリー展開も楽しめるというちょっと美味しいところをとった日常系作品であり、なにより「ほとんど百合」作品であるといえる。
あまり知名度が高い方ではない今作だが総じてレベルが高い作品としてぜひとも視聴をおすすめしたい。

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