Translate

2018年10月10日水曜日

私は…ガンガール..天翔けるブルードラゴン

思いがけないところで探しものが見つかることって結構ありますよね。
みなさんもそんな経験をされたことがよくあるのではないでしょうか?
私も思いがけないところでなかなか香ばしいアニメを見つけてしまったので今回はそれを紹介させていただきたいと思います。


2025年から2030年にかけて、戦争によって全人類の半分が破滅し、戦争はもはや人類が制御できない境地に至った。戦闘機の無人化が進み、衛星レーザー、無人機爆破、インテリジェントAIなど、近未来武器同士が戦っているなか、”時代遅れ”ともいえる武器――銃を使って戦い続ける少女――「銃娘(ガンガール)」がいた…。

「銃娘:ガンガール」(公式サイト


今回紹介する『銃娘:ガンガール』は未来を舞台に現代の銃火器を用いて戦う特殊能力もちの少女たちの活躍を描いた15分枠のアニメーションだ。


今作において活躍する女の子たちは5人でそれほど多くない。彼女たちはガンガールズと呼ばれていてそれがタイトルにつながっている。
ストーリーは基本的に主人公であるケリーちゃん視点で進んでいく。このケリーちゃん、出だしでは戦闘時の記憶を失っているのだが5人の中では最強の能力を持っているという設定となっていた。


さて、この作品をいったいどう評価すればいいのか…。
まず、今作を観て制作陣のやる気は感じたのだが、実際のところかなりいまいちな仕上がりになっているといわざるを得ない。

まず、そもそもの設定として私たちにとって現代の兵器(特に小銃)を使って活躍する少女たちの物語と言ってはいるものの、どう考えても銃のカスタマイズ他がやりすぎていて現代の銃のデザインを超えて他のなにかの銃の様なものになってしまっているのだ。
唯一銃器の名前が出ているM4A1カービン銃ですらその形状は怪しいしケリーちゃんが戦闘に参加すると基本的に覚醒効果で銃も変形していてその銃口からは銃弾ではなくレーザーが射出されるというトンデモ設定になっているのであんまり「銃」娘感は感じることはでず、いったい何故「銃娘」なんだ?他の何かでもよかったのでは?と違和感が残り、設定を素直に受け入れることができなくなってしまった。


その後、主人公であるケリーが過去の記憶も取り戻して強くなっていくという流れでストーリーは進むのだが、記憶を取り戻すスピードと強化のスピードが強すぎてまず、「あれ、これもうケリーだけで良くね?」と思うほどに強力な攻撃力をケリーは保有していてM4からぶっといレーザーを打ち出して巨大なクレーターを作り出すなど銃と少女の組み合わせの筈が戦略兵器級の働きをし始めるのだ。

そんな超強化に視聴者が困惑する隙を与えることなく今度は実は彼女たちは人間兵器として戦争が終わると捕縛されて冷凍されてまた戦争が始まると解凍されて偽の記憶を植え付けられていたというとんでもゲス設定を持ち出してでもあまり掘り下げることなく流していったり超高速でヘビーなネタが視聴者に打ち込まれていく。


あとになって冷静になってから振り返るとなんなんだこれは…となにか恐ろしいものを見た気分になるのだがその瞬間は私の思考回路をオーバーヒートさせて「あれ、なんかこのアニメ面白いかも!?」と思わせていたのだから制作陣の思惑通りなのかもしれない。

それに加えて溢れる低予算の予感それが見事に的中してしまうという「短編アニメ視聴における起きてほしくない事 Best3」に入るような事態も発生してしまっていた。
まず各話毎に前話以前のおさらいカットが必ず導入されている。たとえるならば海外ドラマの「24」の様に「前回のおはなしは」という部分なのだが、今作においては残念なが振り返りっぽくカットや編集を入れてそれっぽく見せる努力も見られずただ淡々と「さっき見た」前話の終わりの部分をまた見させられることになる。そしてOPまでは予算とやる気があったのだろうがEDに至っては数枚の止め絵と回転するカメラでひたすら利用されていた銃の3Dモデルをエフェクト付きで流すという悲しい現実を視聴者に突きつけてくるのだ。
そしてところどころ怪しくなる作画,崩壊する顔のパーツの位置と制作サイドの疲弊と予算の不足をこれでもかと言わんばかりに盛り込んでくる今作はもしかしたら制作サイドからアニメ視聴者に対するSOSなのかもしれない。そう思わせるほどのクオリティだった。


とりあえず製作サイドの偉い人のうちの誰かにガンダム00が好きなんだろうなと思うくらいケリーがエクシア化するシーンが複数回あったり最終回でターミネーターよろしくAIサイド(敵)から機械化された主人公の分身が送り込まれたりもはや銃を使うことなく拳で語り合い始めたりと私もいったい何のアニメを見ているのかわからなくなってしまっていたのだが、まあ、とりあえず最終的には落ち着くところに落ち着いてまとまったと思う(たぶん。)

敵の最終兵器との戦闘が一撃で終了だったり最終形態のネーミングが「エクレアのケリー」とダサかったりするがもうそこに突っ込むだけの力を保てているものは少ないだろう。
ぜひとも今作を視聴して絶望とはなにか、そして頭が空っぽになり眼の前に広がる大宇宙を虚ろなその瞳で見る羽目になったときにどんな世界が目の前に広がっているのかを体験してみてほしい。
そういう意味においては貴重な体験をもたらしてくれる今作は貴重な存在といえるのかもしれない。興味のある人はぜひともご視聴いただきたい。

あ、作中度々登場する怪しい中国の栄養ドリンク剤をご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。すごく気になっています。



0 件のコメント:

コメントを投稿