Translate

2019年6月25日火曜日

ご注文は飯テロですか?

飯テロとは美味そうな食べ物の写真などで空腹感を煽ってそれをみた者たちにダメージを与える行為ですがそれはとくに多くの人が生活習慣上ダメージを受けやすい深夜帯においては抜群の破壊力を持ち、許されざる行為となりつつあります。
それだからこそ深夜枠で飯テロなんて…とおもっていたそこのあなたの胃袋にお届けしたいアニメを紹介したいと思います。


オフィス街にほど近い商店街の一角、雑居ビルの地下一階にその店はある。猫の絵が描かれた看板が目印の、創業70年の老舗食堂「洋食のねこや」。
どこにでもありそうなこの洋食屋の扉は、週に一度“特別営業”の土曜日にだけ「ある世界」とつながる。異世界の様々な場所に現れる扉を通じてやってくる、生まれも文化も、種族すらもバラバラな「向こうの世界」の客たち。そんな彼らが別け隔てなく料理に舌鼓を打てる、不思議な“魅力”がここ「異世界食堂」にはある。
この店で生まれる異世界と現代、食堂に集う人々と店主、そして料理との一期一会を描く、温かい出会いの物語。

異世界食堂(公式サイト


今回紹介する「異世界食堂」は30分枠のファンタジー+料理アニメだ。
原作が「小説家になろう」としては異色とても『なろう系』枠とは思えない落ち着いたアニメとなっている。
とても料理が上手いという点では主人公?となる店主はある意味、能力者なのかもしれないが割と地元の隠れ家的な洋食屋というのはどこも美味しい料理が出てくるイメージがあるのでそういう意味では主人公?である店主が普通の人間であるということは、なろう系小説原作作品のなかではとてもめずらしいことだと言えるのではないだろうか。


先程述べた通り、今作はファンタジーと料理が組み合わさった作品なのだが、ストーリーとしてその料理でファンタジーな別世界を巡ったりするわけでもなくどこかの王族に囲われてかわいいメイドたちとハーレム状態をつくるわけでもなく、あらすじにもある通り、普段は普通の洋食屋の扉が週に一度だけ異世界(ファンタジー世界)に通じて「人間ならざる者たち」が客として来店してご飯を食べる様を映し出し、それにおまけとしてその客たちがいったい異世界でどんな暮らしをしているかをさらっと流す程度に付け加えている作品となっている。


これが私にとっては心地よく、数多く量産されてきた「チート能力をもつ主人公が異世界に転生して無双するアニメ」を見てすこし疲れてしまった人にとっては癒やしともとれるほどゆったりとした時の流れと優雅さの中に少しのファンタジー要素がトッピングされた飯テロ作品はなんとも言い難く、「何がいいのかはっきりしろ!」と言われると言い辛いが「だが、これは良いものだ」と言い切れる良作にさせていると思う。


ここまで話してお判りいただけただろうが、今作に一貫としたストーリーや特定のキャラクターに焦点が合わされることはないのだが、それぞれの客の回想や生活の様子の描写が等がそれぞれの放映回で挟まれるため、視聴すればするほど今作の舞台となる洋食屋の「ねこや」と、そことつながる異世界の姿が明らかになってくるし、それぞれ登場する客となる異世界の住人たちのストーリーも見えてくる。
そういうことなので飯テロアニメにファンタジーがおまけ要素がついているだけなのか…と落胆してしまったそこのファンタジー好きの人にもオススメできるアニメと言えるだろう。


日々の疲れを洗い流す様なゆったりとしたテンポで心地よく響くファンタジー作品として、是非とも夜ご飯のお供に視聴してみて欲しい。

0 件のコメント:

コメントを投稿