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2018年7月4日水曜日

夏…ホラー…ゾンビ…ラブコメ…

夏といえばホラー。
日本ではホラーというよりもエンタメ要素の強いイメージのあるゾンビを扱ったちょっと風変わり?なラブコメアニメの紹介なのです。


ゾンビに萌えちゃう青春ラブストーリー
夢は「ゾンビっ娘とチュッチュする」こと!

ゾンビをこよなく愛する高校1年生・降谷千紘(ふるやちひろ)は、
ひょんなことから清楚可憐なお嬢様・散華礼弥(さんか れあ)と知り合い、
一緒に愛猫「ばーぶ」の“蘇生”に取り組むことに。

でも、礼弥が発したひと言

「私が‥ゾンビになったら、 責任取ってくれるってことですね‥‥?」

が、まさか実現するなんて!? 史上初?

ゾンビに萌えちゃう青春ラブストーリー、ここに誕生!!

さんかれあ(公式サイト


今回紹介する「さんかれあ」は主人公とヒロインがゾンビな30分枠のラブコメアニメだ。
今作ではゾンビの恋愛が描かれるのだが、ゾンビな世界でゾンビが恋愛する日常系ラブコメかというとそうではなく、最初は主人公もヒロインもゾンビではない。
最後まで通して見てみた感じ、シリアスには振り切れないが決して日常系とかギャグよりにはしたくないという制作陣の意思を強く感じる物語の構成になっていた。

主人公の降谷千紘くんは幼いころからゾンビが好き。好きなタイプはゾンビの女の子というめちゃくちゃ変わったタイプの人間だった。その見た目というか髪型が特徴的でもの凄くネコっぽいのだ。それでそもそも今作の出だしがネコきっかけだしなにか関連してくるのかと思ったがこのキャラクターのデザインには深い意味はなかったっぽい。


物語をさらっとおさらいしておくと、あるお寺の住職の息子である主人公の千紘くんは昔、拾ってきてそのまま飼っているねこの「ばーぶ」を事故で失ってしまう。
そんな「ばーぶ」の死を受け入れられない千紘くんは「ばーぶ」を生き返らせそうと、寺の資料を整理していたときに手に入れた妖しいメモ書きを元に蘇生薬を作ることに。
動物の死体を持ち出して薬を作って飲ませるという尋常ではない行為をするために立入禁止となっている廃墟へ赴き、そこで同じ廃墟にある井戸に向かって家族のへの不満を叫んでいる少女に出会う。その少女が今作のヒロインとなる散華礼弥ちゃんだ。


ひょんなことをきっかけにお互いに話をする様になった二人、そして二人でバーブを生き返らせる蘇生薬作りに取り組むことになるのだが…
といった形で序盤は進み、最初は薬作りとそのときに礼弥ちゃんの語る身の上話と少しずつ近づく二人の関係を描くのに2話が費やされる。

その後に3話で礼弥ちゃんが作った薬の毒で自殺を図り4話で崖から転落して礼弥ちゃんは死ぬ
そしてその前に飲んでいた薬が奇跡的に成功していた蘇生薬でゾンビとして蘇り、無事ゾンビとして復活を遂げる。そのころ幼馴染は排水口に挟まって動けなくなっていた。(ハイパーレスキュー隊案件)


今作は対象年齢が高めだ。ゾンビが出現するというだけでなく、まずそもそも動物の死骸を氷漬けにして持ち運び生き返らせるために妖しい薬を作っているというだけでも冷静になって考えてみるとなかなかに狂気に満ちた行為だがこんなの序の口で死体(一応ゾンビ)を家に連れ帰って冷房で腐敗をなるべく抑えながら押入れに隠すという「どこの凶悪事件?」というもはやサイコなシーンまで存在するからだ。
まあ、でも世の中には屍体愛好者というコアな層の方々もいる様なのでその人達にとってはご褒美となるだろう。

話が後半に入ってくると礼弥ちゃんの過酷なお家の事情を中心に物語が進行する。
そもそもなんで礼弥ちゃんが夜な夜な廃墟の井戸に向かって溜め込んだストレスを吐き出さなくてはいけなかったかというと、その背景には異常なほどの愛を注ぐ父親とまったく無関心の母親の姿があった。
父親に至っては隠し部屋で娘の裸体を撮影し常に監視。強すぎる独占欲で近づく人物やもの、動物を排除と、性的虐待・粘着・児童ポルノの制作のスリーストライクで社会的にもアウトな人物だった。
(我々の業界では普通です。)


そんなこんなで抑圧された生活にうんざりしていた礼弥は死んでゾンビとして生き返ったことを「生まれ変わった」と表現して普通の女の子として生活したいと主人公である千紘くんに願う。

ゾンビになってはじめて男の子と同姓を始めた礼弥ちゃんとゾンビ萌えの千紘くんのラブコメはこうやって幕を開けるのだった。めでたしめでたし。

…え?続き?

続きはない。今作では一応家族のゴタゴタにちょっとしたけじめはつくが、ゾンビ化の真相もこれからの展望も少し見える様になることもなく「ゾンビとのねっとりキス(流血)」をもってして全12話の放映を終える。
アニメだけでも一応は形になる終わり方だったらより良かったのだが、ゾンビになって目が赤色になった黒髪ロング美少女が見れただけで眼福なのかもしれない。こういった前向きな嗜好がアニメをよりよく楽しむためのコツと言えるだろう。これはさまざまな量産アニメやクソアニメを見てきた私からの有益なアドバイスだ。

総合的に振り返ってみるとオープニングの作画がチープで第一話から不安な気分にさせて来るアニメだったが、作中はそれほど問題を感じず、風変わりなテーマも相まって割と新鮮な体験をすることのできるアニメだった。
ラブコメだと三角関係で各々のキャラクターの強さが拮抗しているとどちらとくっつくENDになろうともどちらかのキャラを推す視聴者からブーイングが飛んでくるリスクをはらんで居るものだが今回は一人というか一体はゾンビなので「生きてる女の子と死んでる女の子だったら一生一緒に添い遂げても不倫でもないし法律的にも問題ないね!」という開き直りも可能だ。

『普通の』ラブコメに疲れてしまったあなたにオススメしたいアニメだった。一方で、今作はアニメ単体で見ると締めくくりがいまいちなのでアニメだけで物語を終わりまで見たい!という人には向かないだろう。その後に原作も読める!そんな人は視聴してみてはいかがだろうか。

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