それでも地理的に見れば近いこの両国、当然アニメ業界も接近することもあるのです。
今回は日中合同制作のアニメーションの紹介です。
大学の入学シーズン。
新入生のサークル勧誘などで賑わう人ごみの中で
タンタンは、独り自作のドローンKAKAの
改良に余念がない。
校舎裏から海岸へと続く広場で投げた
フライングディスクをキャッチするKAKAの
飛行テストをしていると海風に煽られてディスク―が
一人の女性に当たってしまう。
このアクシデントが心を閉ざしていたタンタンを
大きな成長へと導くのであった。
ロボマスターズ(公式サイト)
今作は珍しく30分フルに時間を使う一方で6話構成と一般的な長さである12話構成をぶった切る話数構成で仕上げられている。
短い放映期間に加えて日中合同制作という異文化の衝突はこれはもう嫌な予感しかしなかった。
のだが、結論から言ってしまうと案外見れる作品に仕上がっていた。
これだけの不安要素をもってしてもクリオネの灯りは越えられなかったのである。
作中の登場人物は皆中国人で舞台も中国の大学という設定になっている。おそらく出資の比率のほとんどが中国側なのだろう。仕方ないね…。
その一方でいままでの日中共同制作アニメの触れ込みのついた
その一方でキャラ同士のかけあいなどはどうかというと、まずキャラクター設定にすこし違和感を感じてしまった。ここは中国と日本の文化の違いなのかもしれないがどのキャラクターも(唯一の癒やし枠であるショウお姉さんを除いてかなり我が強い。そして必要以上に強く衝突している気がする。
キャラクターに欠点を設けたり我を強くしたりすることでそれぞれのキャラクター性に味が出るのは認めるがそれが強すぎると一気にそれぞれのキャラクターに対する好感度は下がってしまう。
一応、作中後半でそれに気がついたのかフォローとしてそれぞれのキャラクターたちの性格や情動の描写を少し緩和して良い感じにはしているが、つかみの部分でかなり我の強いキャラクターたちが登場するところで離れていってしまう視聴者も多かったことだろう。
ちなみにWorld of Tanksでユニカム様してそうなキャラクターも登場する。
6話構成というなかですべての伏線を回収するにはいたらなかったがそれぞれのキャラクターたちの想いや過去にもふれつつストーリーを読み解き、一定の結末を得て、「俺たちの戦いはこれからだ」と大学内での代表選抜大会で勝利するところまでを今作では描いていて一応の形でだが綺麗にまとまっている。
ただ、主人公となるタンタンの回想に出ているお兄さんがなぜ裏切ったのかはあれだけ引っ張っておいて最後まで明らかにならなかったのでかなり残念だ。
なんにせよ、この短い話数でそれなりの結末と見どころとなる試合シーンのクオリティはなかなかだと思うし一見の価値のある作品と言えるのではないだろうか。
日中合同制作はこれからのアニメ業界の生き残りを考えれば充分に有り得ることだと思うし割りかし成功した試金石ということでこれから増えてくるであろう日中合同制作アニメが気になる人はぜひともご覧あれ。
どうでもいい上に個人的なことなのだが、タンタンって聞くたびにパンダみたいだなって思いそのまま上野の国立科学博物館で見たパンダの剥製が脳内でポップアップするのがちょっとつらかった。
もし同じ催しを見に行った人がいたならば覚悟しておいたほうが良いだろう。
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