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2018年5月31日木曜日

現実に疲れた社会人たちのオアシスとなり得るか。

みなさん、日々の生活を楽しんでいますか?仕事をすればいろいろとあります。
様々なトラブル、人間関係、決してひとことでは語れないお仕事の世界。そしてそれらの現実はなかなかに世知辛いものです。
そしてそんなとき、ふと立ち止まって過去を振り返るときがあるでしょう。まだ仕事に就いていない純真だったあのころ。そう学生時代を。
そんな現世につかれた社会人たちが過去を振り返りそしてその過去に今を重ねてさらに美化したらどうなるのか。それを教えてくれるアニメの紹介です。


火星に作られた日本の新たな都道府県のひとつ、「第4東京都」。この都市の経済特区である「霧科市」に、航空宇宙事業で名をあげた超一流企業、「霧科コーポレーション」があった。 この会社は様々なジャンルにシェアを広げつつ、「霧科科学技術学園」という私立学校も運営していた。 この部署の室長を務める若き天才エンジニア瀬良カイトは、学園に通うA-TECの生徒達の担任教師でもあり、熱血ロケット先生と呼ばれ親しまれて(?)いた。物語はこのA-TECに転校生がやってくることから始まる。 新しい仲間を迎え入れようとするA-TECだが、火星へ向かう途上で転校生が誘拐されてしまう事件が発生。この難局を乗り切れるのは自分たちだけだと判断したカイトはA-TECのメンバーたちと共に、前代未聞の救出作戦に乗り出した――

CLASSROOM CRISIS(公式サイト


今作の舞台となるのは未来の火星。技術進歩によって人類が宇宙へ進出して尚かつテラフォーミングによって火星に居住可能になった後の世界を扱っている。
そしてそんな近未来で人が住めるようになった火星には日本の新たな都道府県が存在していた。(いったい日本がどのようにして火星に自らの領有権を主張,確保できたのかはいささか疑問だが)そしてそんな火星のなかでも企業が出資する学園のさらに優秀な人材を集めて午前は授業、午後は出社してエンジンの改良をするA-TECに通う生徒たちの奮闘を描いたものが今作「ClASSROOM CRISIS」となっている。


まず、最初に断わっておかなければならないのは今作が完全ファンタジーアニメであるということだ。技術的なところからいっても例えばエンジンの構造や宇宙空間での居住についてなど特に深い設定は存在しない。技術屋の活躍を描くアニメのはずなのにその技術自体については「すごーい」超技術を「すご~い」天才が開発、改良、運用しているという大雑把な設定でずっと進行するし、今作の評価にも入っている社会パートの会社の経理や会社内での軋轢、政治やお家騒動などいろいろな要素が組み込まれているがそのどれもがあまり深く設定されていない。
つまり今作はたくさんの要素が詰め込まれていてそれぞれ小難しく説明するような描写はあるのだが深く考察しようとすると今度は中身が詰まっていなくて肩透かしを食らってしまう作品なのだ。

作中に多くの要素がつめこまれているということは作品の理解度にも影響していて、最初の視聴段階から中盤に入る頃までは情報量が多すぎて「結局このアニメはなんなのだろう…」といまいち掴みにくく感じることだろう。
実際にそのようなレビューを残して去っていく人を散見する。今ではアニメの評価に直結しやすい「最初の3話まで」のつかみでいうと今作はあまり芳しい成果を挙げることはできなかった様に感じる。そう考えてみると今作のアニメ作品史全体でみたときの今作の知名度の低さも致し方ないのだろう。

ではわかり難いしペラペラのクソアニメなのか?というとそうでもない。全体を通してみればそのペラペラというかある意味「適当な」それぞれの要素の掘り下げも12話の中でそんなにいろいろと詰め込んだアニメにどう収拾をつけて落ち着かせるかというところを納得ができるぐらいにはストーリーはまとまりを持たせているし、好みが分かれるところはあるだろうが学生であり社会人でもあるという特殊な設定とそんな彼らに降りかかる災難、そしてそれを乗り越える姿や成長、そして青春は他作品にはない魅力であり、今作の視聴によってかなり新鮮な体験をすることができることだろう。


今作は色々な意味で忙しいアニメであるのだが落ち着いた環境にいる人よりもいま忙しくて癒やしを求めるそんなアニメ視聴者におすすめしたいアニメとなっている。
なぜなら社会人でありながらも学生で青春を満喫しなが学校さながらのゆるく優しい人間関係の職場、そしてその職場に所属する全員が何かしらの分野で天才ともてはやされるほどの有能という環境で繰り広げられる物語は実際にはギスギスして使えない同僚と責任のなすりつけ合い、そして夢のない職場に疲れた人にとってはキラキラして見えて希望を与えるものになるだろうからだ。(ある意味社会人向けヒーリングアニメ枠と言えるかもしれない
アニメを視聴するときに自己投影するようなタイプに視聴者にとってもどのキャラも若くして天才であるという設定や特に主人公やそれに準ずる存在が皆から敬愛されたり両手に花状態だったりと気分良く視聴することができるアニメと言えるだろう。

視聴しているときの状況はその人の性格によって気になるところ、気にならないところに触れるかどうかで評価が割れそうで万人におすすめできる作品とは言い難いがアニメオリジナル作品として気合充分、そして深いとは言い難いが色々な要素がぎっしり詰まったボリューム満点なアニメとして一度視聴してみては如何だろうか。

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