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2018年5月30日水曜日

家族だから問題ないよね!

アニメの世界は2次元で構成されていて(最近は3D技術の進化に伴いさらに進化しつつありますが)3次元では成しえない様々なファンタジーを描く作品が数多く存在します。
「アニメだからこそ」の世界では魔法や異世界、異種族や時間を進めたり戻したりさまざまな現象があり、登場する女の子たちはみな可愛く心がぴょんぴょんするのです。
そんななかで、人々の日常から外れることなく淡々と家族の団らんを描く、それなのにどこか妖しいアニメたりえる。そんな作品の紹介です。


とある団地で暮らす仲野晴輝(高1)には姉が一人、妹が3人いる。
才色兼備でまじめだけど、弟・晴輝と二人きりのときだけ『隙』を見せる長女の夢月(高2)。
兄・晴輝のことが気になるけど、いつも素直になれない次女の弥生(中3)。
晴輝にかまってほしいのか、イタズラばかりする三女・羽月(小3)。
漫画・アニメが好きで、趣味の近い晴輝とはオタク仲間の四女・咲月(小3)。
そんな4女1男の『自然にそこにある』団地暮らし――。

だんちがい(公式サイト


今作は脱法アニメとしては一級品であると言えるだろう。
脱法アニメとは?法律を犯している?そんなことはない。あくまで例えとして『脱法』という言葉を用いている。
世の中にはダイレクトに危ないアニメが存在する。近親相姦かつヤッてしまっている「ヨスガノソラ」完全小学生とダイレクトにイチャイチャしている「天使の3P」などそれらのジャンルを受け入れられない人からすれば完全アウトな作品が例えとして挙げられる。
だが今作の様に巧みにそれらの批判や指摘を回避しようとする作品も見受けられる。よくある事例としては「ロリババア」が挙げられるだろう。ロリでなおかつ主人公とイチャイチャしているが実年齢は普通に大人か相当な年齢なのでセーフというものだ。これらの手法はまさにあらゆるモノや界隈で存在する法律ギリギリのラインを無理やり通過して行く「脱法○○」に似たなにかを感じる。そして今作はまさにそんな「脱法○○」のアニメ版と言えるだろう。

幼女を膝の上に乗せたり(入ってるよね)トイレへ一緒に入って終わるまで見てあげたり、お姉さんと一緒に寝たりキスをしたり、さらには姉妹通しのじゃれ合いで頬を寄せ合ってスリスリしたり、見る側がどんなに邪な目線を向けていたとしても行われていることは家族の団らんであり、今作はそれをただ淡々と描いているのだ。
けっして幼女と高校生のイケナイ関係とかお姉さんとの近親相姦とかそういうことはないのだ。いいね?

今作を見る側がどう受け取るかは自由だ。ここに今作の最重要評価ポイントが存在する。
つまり今作を学校や会社、そして電車の中で見ようとも私たちはあくまで中の良い姉妹兄弟の微笑ましい日常を描いたアニメを見ているのであってけっしてやましいアニメを見ていないということを主張できるのだ。
ここにダブルスタンダードを確立し、いついかなるとき、そしていかなる状況であってもあらゆる意味で合法的にロリやお姉さん属性、ツンデレ妹と主人公がイチャイチャするなかばハーレムエロアニメを『健全』に視聴することができる今作をおすすめしないわけがない

では通常の作品として、もし視聴者がなんの劣情をも催さずに今作を視聴した場合、その評価はどうなるのだろうか。
私の評価基準である『温度』を用いるならば融点に限りなく近づいてしまう。それほどまでに今作の日常系作品としての『普通の魅力』は評価し難い。
なぜなら『脱法』アニメたらしめている今作におけるそれぞれのギリギリの描写は評価ポイントになりそうでならないことが挙げられる。つまり今作を楽しむためには視聴者側の若干の想像力(妄想力)による補完が必要になってくるのである。
だからこそそれを抜きにすると今作は凡作にすら届くか怪しい作品となってしまう。それなのでら私は今作を総合的にどう判断するのかについてかなりの難しさを感じている。

『脱法アニメ』として主要なジャンルを複数収めていて短編アニメでお手軽に見れるという利点は他にはない魅力と言える。ただその一方で“そういう”視点抜きで考えると今作は及第点に及んでいるかどうか難しい作品といえるだろう。
ぜひとも短編アニメということもあるし一度今作を見て考えて見て欲しい。そしてその目で発見して欲しい。今作に隠された魅力を。



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