お口に合いますか？お口に合うと良いな！！

お口に合いますか？お口に合うと良いな！！

ツンデレ・妹などなど、

店員さんのいろんな「属性」が

楽しめる喫茶店で、新人アルバイトの

苺香が店長にリクエストされたのは

なんと「ドＳ」キャラ！？

一生懸命働くうちに、意外と

「ドＳ」の才能が開花してしまい…。

踏まれたって全部がご褒美、

倒錯的ワーキングコメディ！

ブレンド・Ｓ（公式サイト）

ブレンド・Ｓというタイトル、視聴前はまったくもってその内容を理解できなかったが視聴してすぐにその意味を察することができた。
今作は所謂コンセプトカフェで働く女の子たちを描いた日常系アニメだ。
コンセプトカフェと言っても何かに特化することなくいろいろな『属性』をブレンドして楽しめるカフェということみたいだ。

ブレンド・Ｓの何がすごいって『すべてを兼ね備えている』所だろう。
そう、ここには何でもある。どんな日常系のアニメの難民でもキャンプ地として続編や他作品が現れるまでの間に留まることができるのだ。
まず様々な属性のキャラがいるということだがその属性は割と大雑把で

• ドＳ
• ツンデレ
• 妹
• お姉さん
• アイドル

と割とアバウトな属性でそれぞれにさらなる属性として

• 巨乳
• ロリババア
• エロ
• 島風くん

とさらなる属性も追加されている。

つまり今作は全年齢対象ならぬ全属性対応作品なのである。

それだけでない。作中ではお約束のキャンプパートもある。海にも山にも行く。そしてお買い物にも行くしメインヒロイン枠であろうドＳ担当の苺香と店長の恋模様を描いたラブコメ要素もある。
そしてそれぞれの要素は尖ることなく程よく『ブレンド』されている。
本当にそれぞれの様式美を突き詰めた結果生まれたアニメはこうなるのだろうなといった感じだ。

一方でその突き詰められた様式美は今作の欠点にもなっている。
先ほど、どの要素も「尖ることなく」と述べた通りこのアニメにはこれといった『要素』が欠けているのだ。
つまり『ブレンド』が良く出来すぎているから故に何か物足りなさを感じている。
それは今作を難民キャンプ地としては最高のものにしても今作そのものが難民キャンプの需要を生み出む爆心地に成り得るポテンシャルに欠けることを指してしまっている。

一応の独自要素として「ドＳ」があるのだがそのドＳも『ブレンド』を崩すほどには主張せずにところどころに出てくる程度でそもそも苺香ちゃんが完全なドＳキャラと言って良いのか？むしろ天然ドジっ子キャラでは？と思うくらいには一般向けだったりしてなんとも言い難い。

それでは今作は凡作なのかというとそれもまた難しい。
それは今作の『ブレンド』がとても素晴らしいという事実を無視できないからだ。他作品でも「ジャンル」の成りの果てをいくつか覗いた気がするものがあったがこれもまた一つ、『様式美』の追求の成れの果てに存在するものを垣間見させてくれる様に思えるしそれだからこそ一見の価値があると思う。
とにかく難民キャンプとしての水準は十分以上に確保されているし見ていて『クソ！』な部分は無いと思う。それなので今作を見ようという人にはおお良いと思うよ！と相づちをうてる作品である一方で「何かオススメの作品ある？」にコレ！と推せるとは言い難いなんとも扱いに困るアニメなのではないだろうかと思った。