「音楽はやめられない」
大人と呼ぶには幼く
でも自分達はもう子供ではないと思っている高校生。
ある日を境に音楽から離れた坂井和奏。
歌うことを諦めきれない宮本来夏。
親友のために力を貸す沖田紗羽。
笑ったり喧嘩したり悩んだり恋をしたり……。
ありふれた日常を送りつつ、少しずつ少しずつ前に進む少女達。
時には回り道をしながら、ひとりでは無理かもしれないけれど
親友がいればいつかきっと――。
和奏、来夏、紗和そして彼女達の奏でるアンサンブルが、音楽の力が
小さくも煌びやかな物語を紡ぎ出す。
高校生活最後の夏。
それは夢を諦めるには早すぎる季節。
江の島に響く歌声が今日も僕らを勇気付ける。
TARI TARI (公式サイト)
今作は5人の高校生が集まって合唱部をつくり、歌ったり踊ったり、戦隊ヒーローになったりして笑ったり喧嘩したり悩みを共有したり恋をしてそれぞれが各々の挫折や過去と向き合って乗り越えて最後にはそれぞれの足で別々の未来へ歩みだして行く青春ストーリーを扱う日常系アニメとなっている。
ただの日常系アニメという訳でもなく、青春要素に今作のすべてを全振りしている訳でもなく、中間を往くアニメ作品だ。
宮本来夏ちゃんはピンクの髪で天真爛漫な性格とまさに物語の起爆剤にしてそのあとも周りを引っ張る主人公タイプなのだが作中でも合唱部の中心となって「歌うことが好き」という気持ちを率直に追い求めて障害に正面から立ち向かって周りを巻き込んでつき動かして行く。
元から歌が好きで合唱部に相当する声楽部に所属していたが大舞台に緊張してしまい失敗してしまったために顧問の教頭先生から次の発表会でも舞台に立たせて貰えなくなってしまうことになりそれに反発して合唱部を立ち上げるというところから今作のストーリーは始まる。
沖田紗和ちゃんはおっぱいが大きい気配りが効いて気さくなタイプで来夏ちゃんとは元から親友。親友である来夏ちゃんの頼みを聞いて元から所属している弓道部と兼部する形で合唱部に入部する。
人の気持ちを察してさり気なくサポートする能力が高く、なんでも突っ走ってしまう来夏ちゃんをうまくフォローして物事の流れがぐちゃぐちゃになるのを防ぐ役割を担っている。
将来の夢は騎手で、騎手の仕事に対して父親の反対を受けている上に物語の後半では厳しい競馬学校の入学要件(身長や体重の制限など)の壁が高く悩むことになる。
おっぱいが大きいのは罪じゃない。競馬学校は大きいおっぱいと乗馬の組み合わせのもたらす利益が不利益を遥かに凌駕することを理解できていない様だ。
坂井和奏ちゃんは地味可愛い私の一押しキャラで物語を動かす来夏ちゃんに対してその動く物語の中心というか鍵となる存在となる。
もともとは学校に併設されている音楽科に在籍していたが母親の死とそのときに『約束』を果たせなかったことを気に病んで普通科に転籍して音楽から距離を置いていた。
だが、合唱部を作った来夏ちゃんに誘われたことやそのあとになんだかんだ言って合唱部の活動をサポートすることになったりと音楽と少しずつ関わりをもつ様になり、始業式に風邪をひいたときに来夏ちゃんがお見舞い来て母親との約束のことを話したり母親と同級生だったという紗和ちゃんの母親と話をすることで再び音楽と向き合って『約束』を果たそうと再び歩み始める。
そしてそれにバドミントン田中大智と戦隊ヒーロー、ウィーンを加えた5人組がいままでに挙げた様なそれぞれの課題や過去を乗り越えたり、皆でまとまって中止になってしまった文化祭をやり遂げたりとするアニメだった。
やはり今作では合唱部ということや物語のうち全体的に鍵になる和奏ちゃんの母親の存在も相まって「歌」や「音楽」が話しに大きく関わってくる。それだけに合唱というか歌の部分はそれなりにこだわりが感じられて今作の見どころとなっている。音楽と青春という組み合わせは分かりやすいし心に響くものがある。
あまり寄り道もせずにそれぞれの心情描写や全体を通しての合唱部の歩み、そして彼らのたどり着く先(卒業後の進路)まで今作は非常に見やすい良作だと感じた。
今作を見てあなたの音楽を再発見してみてはいかがだろうか。
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